4月下旬のある日。
午後11時頃。
母照子(駒塚由衣)が鼻歌を歌いながら風呂釜に新たな薪をくべている。
程なく出てくる次男の健志(大谷典之)。
健志 だからもう出るっていったじゃん。
照子 すぐ、母さん入るから。
健志 最近どうなの。
照子 ん?
健志 血圧。
照子 まあまあかな。今年の夏は暑いのかな。
健志 さあ。
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健志 父さん遅くなるって。
照子 そう。健志。明日は?
健志 バイト。
照子 たまには一回でおきなさいよ。
健志 今月でやめるから。
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照子 健志。
健志 何。
照子 あんたさ、もう三十なんだよ。
健志 そうだよ。
照子 いつまでもフラフラしてたら、誰もお嫁に来てくれないよ。
健志 わかってるよ。俺だっていろいろ考えてんだから。
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照子 何、いろいろって。
健志 うるさいなあ。
照子 まったく、あんたと話してると血圧上がっちゃう。
都合悪くなるとすぐケイタイ、、さて、お風呂入ろうかな。
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ケイタイをいじりながら寝てしまう健志。
風呂場の電気がつき、やがてお湯の音が聞こえてくる。
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